サステナビリティ

“地域の食”をワインで繋ぐ。この夏初登場『瀬戸内醸造所』特別インタビュー

お取り寄せ編集部
2023/08/18
“地域の食”をワインで繋ぐ。この夏初登場『瀬戸内醸造所』特別インタビュー
広島県三原市に醸造所とワインショップを構える『瀬戸内醸造所』。まだ春の肌寒い日が続く頃、婦人画報のお取り寄せバイヤーが、夏に飲みたくなるようなシュワシュワっとした冷たい飲み物を探している時にたまたま知人のご紹介で出会ったのがきっかけ。瀬戸内醸造所代表の太田さんのご出身が広島県三原市で、”地元の食”を広めたいと2017年にワイン作りをスタート。ワインの味はもちろんですが、農家さんたちと真摯に向き合いお取組されている姿に感銘を受けたバイヤーが、ぜひお客様にも瀬戸内醸造所の魅力をお届けしたいという想いから、今回婦人画報のお取り寄せにて初登場いたしました。 

フライドポテトや揚げ物に合う!酸が引き立つ香り豊かなドライな味わい
瀬戸内醸造所 竹原キャンベル・アーリー ギフトボックス付 3,870円(税込)


 
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2022年は春から一気に気温が上昇しぶどうの栽培が早まった年。農家さんにとっては大変な年だったものの、ぶどうの出来はかなり良く、例年以上に華やかなバラの香りが魅力的です。 

お刺身や和食にも合う!シーンを選ばない軽やかな赤ワイン
瀬戸内醸造所 三原ニューベリーA(発泡なし/スティル) ギフトボックス付 3,650円(税込)

 
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瀬戸内醸造所のラインアップの中でも一番収穫時期が遅いのが三原のニューベリーA。9月中旬〜10月頃に収穫されるため、毎年梅雨の影響を受けにくく味がブレにくいのも特徴です。

今回は、瀬戸内醸造所のお話やサステナブルのお取組みについて代表の太田 祐也さんの想いをインタビューにてお伺いしました。

『瀬戸内醸造所』代表
太田 祐也さん インタビュー

『瀬戸内醸造所』をはじめようと思ったきっかけ

太田さん:もともと前職では全国各地の地域活性化に携わるような仕事をしていました。当時、仕事の一環で「旅行の目的」について調査を行ったところ、最も多かった回答が「地域の食を楽しみたい」という声でした。一方で、地域の特産品を支援したくても高齢化が進み、そもそも継続することすら難しい地域も多いことを知りました。
そんな時、たまたま友人たちと一緒に地元のしまなみ海道へ自転車旅に出かけた際、島ごとに郷土の食材や料理とペアリングができるような、独自の”お酒”があったら、もっと”地域の食”を発信できるのではないかと思ったんです。これを機に、もっと旅行客に食を楽しんでいただけるよう、瀬戸内の食に合うお酒を作ることを計画しはじめました。

なぜワイン作りに着目したのか?

太田さん:私自身が広めたかったことは、あくまでも”地域の食”でした。だからこそ、食事と一緒に楽しむことができる”お酒”を作りたいという想いが初めから強くありました。もともと私がお酒が好きでワインにも興味があったので調べていくと、実は、瀬戸内は昔から生食用のぶどうの生産地として全国的にも上位に入ってくるような地域だったのです。地元三原市にも生食用のぶどう農園も多いことを知り、ワインを通して「地元の食」を広めたていこうと決意しました。
 

 

瀬戸内でワインを作るにあたって、農家さんとのつながりは?

太田さん:三原市は私の地元ではあるものの、農家さんたちと直接のつながりは全くありませんでした。ですから、2017年のスタート当初は、先ず地元の農家さんたちに集まっていただき説明会を開催しました。そこで「三原のぶどうを使い地元の味が伝えられるワインを作りたいんです」と伝えたのですが....正直、当時の農家さんたちの反応はあまり良くありませんでした。
 

 
太田さん:というのも、特に西日本では品質が高いぶどう=「生食用」という意識が強く、そちらに回せない形や色づきのものを、ワインのような加工品に使うという考え方が根付いていたからです。先ずはこのイメージをなくすため、生食用でも美味しい三原のニューベリーAこそ、美味しいワインが作れる理由をお伝えしました。その理由とは、そもそもワインとは水を一切使わず果汁だけで作られる果実酒で、農業が良くなければ良いぶどうもできず、良いワインは作れない。世界でも”農業のお酒”ともいわれるほどなのですとお伝えさせていただきました。すると、一部の農家さんから面白いから一緒にやってみようとぶどうを売ってくださったのがきっかけで、ワイン作りをスタートすることが出来ました。

生食用で食べても美味しいぶどうを使うこだわりとは?

太田さん:私は地域の特産物でもあるぶどうの最大限の美味しさをワインで伝えたいので、地域でもともと育てていた生食用のぶどうを使うことにこだわっています。また、海外でもワインの有名な場所は数多くありますが、日本の農家さんたちの特徴は、家から畑の距離が近く、一年中畑のことを考え、作物を大切に育てています。この日本の農家さんのクオリティーの高さこそ世界に誇れるものだと思っているので、この点も地元のぶどうを使わせていただくことで、ワインを通してもっと農家さんの素晴らしさも世界に広めていきたいんです。
 


 

瀬戸内の土壌の特性や、味の個性とは?

太田さん:瀬戸内のワインは口に含めば、ミネラル感があり、魚介類にも合わせられる軽やかな口当たりが特徴です。その理由とは土壌の多くが花崗岩地質で、昔は鉱山が周りに存在していたこともあり、ミネラル分が多く、水にも恵まれているからといわれています。
また竹原地域は、塩田の跡地なので数十cm程掘れば、塩水が出てくるような場所です。ぶどうにとって、ストレスがかかる状態になるので、今回婦人画報のお取り寄せでも販売する「竹原キャンベル・アーリー」は、もともと華やかな香りがすることで有名な品種ですが、竹原で育てることで、より香り高くバラのような華やかな香りがするのも特徴の一つです。塩田の跡地でぶどうが育つこと自体日本はもちろん、世界的にみても珍しいことなので、ぜひ他のワインとの味の違いもお楽しみ頂けると嬉しいです。
 


 

2022年コンクール受賞されたワインとは?農家さんたちの反応は?

太田さん:実は今回、婦人画報のお取り寄せにて発売させていただく「三原ニューベリーA」が、2022年のルクセンブルク酒チャレンジ(※)で銅賞を受賞したワインです。瀬戸内醸造所のスタート当初、ワイン作りに対して半信半疑だった農家さんたちですが、一緒に活動を進めていくうちにお互い信頼関係が生まれ、賞をいただいた際は農家の皆さんも凄く喜んでくださいました。そして今では農家さんたちの方から「次はこんな風に作ってみたらどうかな」と提案してくださったり、「自分たちで作ったぶどうで世界のコンクールを取りたい」と言ってくださったり。農家さんたちの方から積極的に動いて声をかけて下さることが、今は何よりも嬉しいです。
 

※日本酒を世界に広めることを目的とした国際的な品評会。ルクセンブルクはもちろん周辺のヨーロッパ諸国の酒ソムリエ資格保有者が集結し、酒を審査します。

瀬戸内醸造所に隣接するレストラン mioについて

太田さん:私たちが数年前自転車旅で思い描いていた”地域の食”とお酒のペアリングの夢は「レストランmio」で実現することができました。半径50km以内の食品を使うことをコンセプトとし、瀬戸内の食材をふんだんに使った食事と瀬戸内醸造所のワインを一緒にお楽しみいただける空間になっています。
ただ、食事を必要以上に作りフードロスが起きないよう完全予約制にさせて頂いています。また食品輸送時に排出される二酸化炭素の削減、瀬戸内の食文化の継承という観点から、レストランでは近隣地域中心で原料・食材の仕入れを行っています。瀬戸内の食と景観の魅力を、より多くの方に知っていただけるよう、多方面に配慮した運営を心がけています

 

今後の展望

太田さん:三方よしを目指していきたいです。農家さんたちにとっても、ワイン作りをする私たちにとっても、そしてワインを手に取ってくださるお客様にとっても、誰も損をしない会社を作っていくことが目標です。そのためには、先ずは瀬戸内でワイン作りを継承していくために、農家さんたちと連携し畑をより良くしていくことが大前提にあります。そして将来的には”地域の食”をより楽しんでいただけるよう、瀬戸内醸造所を起点に、島のアクティビティや食をいろいろなところに展開し、アイランドホッピングして瀬戸内を楽しんで頂けるような仕組みづくりを目指していきたいです。

 

 

お取り寄せ編集部が『瀬戸内醸造所』を取り上げた思い​

『瀬戸内醸造所』の魅力を少しでも多くの方に知っていただきたいという思いから、今回インタビュー記事を公開させていただきました。取材をさせていただくにあたり、リモートでお打ち合わせさせていただきましたが、太田さんのご厚意で予定していなかった瀬戸内醸造所のリモートツアーで瀬戸内醸造所から見える海の景色や、外観・内観までご紹介をいただきました。太田さんの瀬戸内に対する熱い想いや愛はもちろん、これから冒険が始まるようなワクワク感。まさにこれが周りの方を惹きつける太田さんの魅力だとインタビューを通して改めて実感いたしました。私たち婦人画報のお取り寄せ編集部も、その想いやお取組み内容をさらに広めていけるよう、一緒に発信していけたらと考えています。

 

写真:太田祐也さん。瀬戸内醸造所代表取締役。
 
今回ご紹介した瀬戸内醸造所のワイン2種は8/18(金)より発売開始です。新商品や限定・人気商品の入荷をいち早く知るならメールマガジンの登録もおすすめです。ぜひ、チェックしてみてくださいね。