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【イベントレポート】マリベルチョコレートセミナー

M. SATO
2017/02/02
【イベントレポート】マリベルチョコレートセミナー
今回は、スイーツコーディネーターの松本由紀子さんによるゲスト投稿です。
どうぞご覧ください!

★★★

スイーツコーディネーターの松本由紀子です。
今回は、『婦人画報のおかいもの』主催、
「マリベル」「カカオマーケットbyマリベル」の創始者である
マリベル・リーバマンさんによるチョコレートセミナー
@カカオマーケットbyマリベル東急プラザ銀座店
の様子をレポートさせていただきます。

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御自身のご経歴から「マリベル」を始めるに至った経緯、
そして10年以上にもわたり地道に続けてらっしゃる
「Farm to bar」の活動まで
マリベルさんの歴史をギュッと凝縮して語ってくださいました。

17歳でホンジュラスからNYへ渡ったマリベルさん。
実は、当初はファッションデザイナーを目指していたのだそう。
そんな彼女がチョコレートで成功を収めた理由は…

NYという刺激的な街で、様々なインスピレーションが
湧いてきたマリベルさんは、いつしか “食”を作ることに目覚め、
原材料のバックグラウンドに興味を持つようになりました。
そこで色々な国の色々な原材料を扱いたいと
多国籍料理のケータリングの会社を興しました。

ところが資金などの問題が生じ、多食材を扱うことが難しくなり、
一つの食材「チョコレート」に絞ることに。
なぜそれをチョコレートに決めたかというと、
自宅の庭にカカオの木があったほど身近な存在だったから。
と、最初は単純な理由からだったのですが、
次第にチョコレートに恋するようになっていくのです。

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マヤ、アステカ時代からのチョコレートの歴史や、
チョコレートができるまでの工程を教えていただきながら、
お待ちかねのテイスティングタイム!

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プレートには、白っぽいものと茶色2種類のカカオ豆と
カカオ分の異なる4種類のタブレット、
そしてカカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)が並べられていました。
茶色いカカオ豆は、屋内で一時乾燥をしてから天日で7日間乾燥したもの。
白っぽいカカオ豆は、一時乾燥なく天日乾燥されたものなのだそう。

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さらに、マリベルの顔とも言える「アズテック」の
ホットチョコレートも登場!
今回はミルクで割って作られています。
こちらは、茶色いカカオ豆から作られたもので
酸味が少なく、奥深く芳醇な香味が広がります。

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タブレットは、右からカカオ分99%、80%、70%、38%。
ローカカオのものから食べると、甘いイメージを覚えてしまうということで、
ハイカカオのものから順に試食していきました。
99%は力強いカカオの風味を、ストレートに感じられます。
僅かにヴァニラが加えられているそう。
80%は99%に比べるとやや甘く、フルーティー。
コニャックやウィスキーとの相性抜群。
70%はさらにフルーティーで、赤ワインとの好相性。
このように段階を追って甘みやフルーティーさを
感じることができるのは、カカオ分が高く砂糖の少ない
ものから試食しているからこそなのです。

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そして最後に38%のミルクチョコレートを。
ミルクチョコレートとはいえ、あまり砂糖を使いたくない
というマリベルさんの想いから、一般的なものよりも
ミルクの含有量が多くなっているとのこと。
ミルクパウダーも伝統的な石臼挽きのものを使用しているため、
僅かに焦げたような風味が感じられ、
ほんのりキャラメルテイスト!?と錯覚する美味しさでした。

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私は皆さんにショコラティエになってもらいたいわけではないけれども、
一つ一つの工程が重要で、繊細なので、ぜひ知ってほしい!
と熱く熱く語るマリベルに、お客様もどんどん
惹きこまれていっていました。

「Bean to bar」に興味がありますか?という質問に対して、
ショコラティエがカカオ豆を購入し、チョコレートに
仕立てていく「Bean to bar」と、御自身が10年以上続けている
実際にカカオ農園に赴き、成長過程から携わることで、
カカオ豆のクオリティから作り上げる「Farm to bar」の違いを
語るマリベルさん。

マリベルさんが「Farm to bar」を実践する理由は、
このように自分らしいオリジナルのチョコレートを生み出すということとともに、
祖国ホンジュラスの貧困なカカオ農家を救いたいという
想いを抱いたからに他ならないのです。

最後に、すべてを優しく包み込む広い大地のような、
そしてすべてを温かく照らしだす太陽のような
煌めく笑顔でお客様とのお話や写真撮影にこたえるマリベルさん。

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お土産もとっても贅沢で素敵!

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美味しいチョコレートは数あれど、そこに込められた作り手の
しかもNYから来日中のマリベルさんの想いをうかがえるという貴重な機会。
お客様の笑顔が、このセミナーの満足度を物語ってらっしゃいました。

今後のさらなる夢をうかがうと…
「自分が何を食べているのかをしっかり理解する世の中にしていきたい!」
と真剣な面持ちで語るマリベルさん。
マリベルさんにとってチョコレート、ひいては食全般は
文化と触れ合うためのベストな手段に他ならないのです。

食に対する想い、そして祖国ホンジュラスに対する想い。
宝石のように煌めくキュートなチョコレートの裏に、
このように深いヒストリーが隠されていることを知り、
きっと参加者の皆さまもより一層マリベルファンになられたことと思います。

店舗や百貨店では行列必至の「マリベル」&「カカオマーケット」ですが、
こちらの婦人画報のおかいものでは行列することなく、
ゆっくりと商品を選ぶことが可能なのも嬉しいところ。
こんなに素敵な方が作られているチョコレートなんだよ!と
ちょこっとストーリーも添えて…
元々デザインを勉強していたマリベルさんなので、
バラエティー豊かなパッケージもどれもオシャレです。
大切な方に、そして自分へのご褒美に…
今年のバレンタインにお薦めの逸品揃いです!

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【松本由紀子さんプロフィール】

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スイーツコーディネーター&ライター。一般雑誌、菓子専門誌、TV、webサイトと多岐にわたりスイーツ情報を発信。コンサルティング、イベントプロデュース、講座の講師も務める。近著に『一度は食べたい!隠れ愛されスイーツ 珠玉の裏スペシャリテ100』(主婦の友インフォス)

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