サステナビリティ

持続可能なお菓子作りに真摯に向き合う~『カフェタナカ』特別インタビュー

お取り寄せ編集部
2023/06/29
持続可能なお菓子作りに真摯に向き合う~『カフェタナカ』特別インタビュー

婦人画報のお取り寄せで、『カフェタナカ』のお取り扱いを開始してからなんと11年目。独自の喫茶文化が根付く名古屋で、老舗珈琲店に生まれ育った田中千尋さん(カフェタナカ代表)は、「父のコーヒーに合うフランス菓子を作りたい」とパリでお菓子作りを学び、地元名古屋に『カフェタナカ』を立ち上げました。スイーツ好き垂涎もののクッキー缶「レガル・ド・チヒロ」シリーズは、発売するたびに即完売となってしまう大人気の品。本格的なフランス菓子に、パティシエの独創的なエッセンスが加わり、味わい、食感、香りすべてにおいて個性が光ります。

 

サントメ島と沖縄の2つの島を感じてほしい​。素材を活かした特別なジェラート缶

カフェタナカ ビジュー・ド・グラッセ サントメ~リュウキュウ 4,968円(税込) 

 

サントメ島のカカオと日本の食材でスイーツを作る『カフェタナカ』のシリーズ企画。カフェタナカの60周年に合わせて、サントメ島で丁寧に作られた「カカオ」と沖縄・小浜島の「黒糖」を使った「ビジュー・ド・グラッセ サントメ~リュウキュウ」というジェラート缶を発売します。
今回は、サントメ島のカカオと沖縄・小浜島に対する田中千尋さんの想いをインタビューにてお伺いしました。

 

カフェタナカ代表
田中千尋さんインタビュー 


~目次~
1.サントメ島のカカオとは?
2.「サントメ島」の農園支援をすると決断した理由
3.今回のジェラート缶に小浜島の黒糖を使用した経緯とは?
4.『カフェタナカ』創業60周年を迎えるにあたって

サントメ島のカカオとは?

 

田中さん:カフェタナカはオープン当初から、できるだけお菓子の素材の原産地へ足を運ぶようにしています。ただ、パティシエにとってチョコレートは必要不可欠な存在でありながらも、カカオの生産地は危険な地帯が多い。訪問したくてもできない、そんな状況が何年も続いていました。そんな時、当時カカオの生産地としても歴史的背景をもつエクアドルで、すでにフェアトレード(※1)の活動を行っていたカオカ社(※2)との出会いがありました。それをきっかけに、2007年に念願だったカカオ農園へ訪問することができました

※1 発展途上国で作られた作物や製品を適正価格で継続的に取引することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す公平な貿易のしくみ
※2 フランスのオーガニックチョコレート会社
 


田中さん:その後、カカオの生産地を数々訪れカカオの歴史を学ぶにつれて、カカオがアフリカに入ってくる最初の島が「サントメ島」という背景を知りました。そして、私自身がサントメカカオの味がもともと好きだったこともあり、2019年に長年の夢であったサントメ島に自社カカオ農園を開園しました。

「サントメ島」の農園支援をすると決断した理由

田中さん:サントメ島へ訪問すると植民地から独立したはずなのに、最貧国の一つという事実も知りました。島の中では女性差別があり、多くの男性は働かず、女性だけが一生懸命働いている。大好きだったサントメ島のカカオを守るためにはこれでは島全体の状況は変わらないと思い、自社カカオ農園をサントメ島に開園しました。
 
 
 
田中さん:味や香りの良い質の高いカカオをつくるには現地の生産者さんの手間暇がかかります。「手間もコストもかかるし、農薬を使って大量生産した方が早い」と現地の方から言われることもありましたが、質の良いカカオを育てればその分カカオの価値も高まっていきます。そして自分たちのつくったものが価値があるものだと知ることで、その土地の人の暮らしが豊かになるんです。このような持続可能なお菓子の仕組み作りこそが大切だと感じました。

今回のジェラート缶に小浜島の黒糖を使用した経緯とは?

 
田中さん:実は沖縄は黒糖作りを始めて400周年を迎え、歴史を振り返ってみるとサントメ島もちょうどこの時期にサトウキビを作っていたんです。サントメ島では約400年前にサトウキビを育てていましたが、歴史の流れからその後カカオ生産が主軸となりました。同じ島国として縁を感じ...このタイミングでなにか一緒に作れないかと思い、今回の企画がスタートしました。
 

(サトウキビを絞る様子。サトウキビの搾りカスは機械の燃料に使用される。)
 
田中さん:実際に現地を訪問すると、人々の温かさや小浜島黒糖の上品でスッキリした甘みに感動しました。小浜島とサントメ島の2つの島に共通するのは、同じ島国で手つかずの自然の中、皆島のものを食べて生活し、その土地の大切な食材を守り育てていること。この2つの島の空気が私は同じように感じたのです。島の基幹産業でもあるサトウキビ栽培、そして体に優しくヘルシーな黒糖の良さを少しでも拡げるお手伝いがしたいと思い、シンプルを極め、無駄をそぎ落とし、美味しさを追及して作ったので、ぜひふたつの島の風を想像しながらジェラート缶を味わって頂けると嬉しいです。

『カフェタナカ』創業60周年を迎えるにあたって

田中さん:『カフェタナカ』の原点は、もともと父が立ち上げた喫茶店『タナカコーヒー』がはじまりです。私自身は”喫茶文化”の浸透している名古屋に生まれ、ティータイムが1日3回あるような家庭で育ったので、物心ついたときから自然と「父の作るコーヒーに合うお菓子を作りたい」という気持ちが強くありました。みんな行きつけの喫茶店があったり、喫茶店でご近所付き合いがあったりする中で、パリにも同じ“カフェ”文化があると知り親近感を感じフランスへ菓子を学びに20歳で渡仏。帰国後父と母が守ってきたお店の歴史を一生大事にしたいという思いから『カフェタナカ』へリニューアルしました。
 

 

田中さん:創業60年を振り返ると、60年のうち30年がコーヒー、次の30年がお菓子、と続いてきたので、100年愛されるお店を目指していきたいです。だからこそ次の30年のために何ができるのかが日々の課題でもあり、引き続き私たちもできることから取り組んで行きたいと思っています。お客様にもお菓子の向こう側を知ってもらった上で、カフェタナカを選んでいただけたら嬉しいです
 

お取り寄せ編集部が『カフェタナカ』を取り上げた想い


『カフェタナカ』のお取り扱いを始めて早11年。当時からサステナブルの先駆けと言ってもいいほど、様々な活動にチャレンジされていましたが、この活動に反響があったのはここ数年のことだそうです。今回千尋シェフに改めてお話を伺い、真摯に持続可能なお菓子作りを長年続けていらっしゃることが、結果として多くのファンの心を掴んではなさない理由の一つであると感じました。今回創業60周年を機にこのような貴重なインタビューをさせていただけることに感謝するとともに、私たちお取り寄せも今後お客様にブランド様の想いやお取組みの内容をさらに広めていけるよう、一緒に発信していけたらと考えています

 

今回ご紹介したジェラート缶の発売は、7月7日(金)18時からを予定しています!新商品や限定・人気商品の入荷をいち早く知るならメールマガジンの登録もおすすめ。ぜひチェックしてみてくださいね。