家で氷をガリガリ削って食べる庶民的なおやつと思いきや、最近は氷や蜜、削り方にこだわった高級なかき氷を食べられるお店もちらほら見かけます。
そもそも日本でかき氷に関する最も古い記述はというと、平安時代に清少納言の書いた「枕草子」が有名。
『あてなるもの、薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷にあまづら入れて新しき金椀に入れたる。・・・』
「上品なものといえば、薄紫の袿の上に着た白のかさねの上着。鳥の卵。削った氷にあまずら(ツタの樹液を煮詰めて作られた甘い蜜)をかけ、新しい金属製のお椀に盛ったもの。・・・」
当時は氷や甘い調味料が非常に貴重なものだったので、かき氷は高貴な身分の者しか口にすることができない、まさに「あてなるもの」。
ひんやりとした金属の器に盛られた、薄く削られた真っ白な氷の上に、甘い蜜をかけた様子が「雅やかで上品で優美なもの」と、清少納言の目に映っていたのだと思うと、我が家でかき氷を食べるときも、なんだか急に背すじをピンとのばしたくなります。
もちろん、おうちでのかき氷は「あてなるもの」とは程遠い、庶民派かき氷。
小豆を炊いて、抹茶シロップと白玉を作って、しろくまさんのかき氷器でガリガリすればできあがり。
夏は、こどものお友達がくるといつもかき氷屋さんをしていたのですが、今年は難しいので、家族でかき氷屋さん。
お店のように堆く盛るのはなかなか難しいですが。
次はぜひ金属の器に盛って食してみたい。。
せっかくなので、婦人画報のお取り寄せでも、令和時代の「あてなるもの」を探してみました。
[ 双松庵唯七 ] 寒水 4個入り
信州・飯田の名水として知られる「猿庫の泉」。まろやかで甘いと人気の水をジェルにし、上に大納言小豆をのせて。
地元信州で採れた竜峡小梅を蜂蜜にじっくり漬け込んだ梅蜜をたっぷりとかけていただく、上品なおやつです。
一つずつ丁寧にくるまれた包みをほどくところから、まさに「あてなるもの」?
[ 黒川本家 ] 吉野本葛もち詰合せ 6個入り
江戸時代からほぼ変わらない、厳寒の時季にだけ行われる本葛作り。この本葛をじっくりと練り上げ、滑らかさと艶、弾力のある葛餅を作り上げています。一口食べれば、むっちり、つるんとした食感に思わずうなってしまいそうなほど。
格式高く、木箱入りなのもいいですね。
他にもこの時期おすすめの涼菓をいろいろとご紹介していますので、よかったらご覧くださいね。
ちなみに、かき氷を入れているガラスの器は、実はバタールーアンのもの。
バターのおいしさはもちろん文句なしですが、この器(しかも蓋つき!)がかなり重宝して気に入っています。