今回は、スイーツジャーナリストの平岩理緒さんに、夏におすすめのスイーツについてゲスト投稿いただきました。
どうぞご覧ください!
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スイーツジャーナリストの平岩理緒です。梅雨入りして蒸し暑くなってきましたね。今回は、よく冷えたシャンパンなどと共に楽しんでいただきたい、夏ならではのチョコレートのお勧めをご紹介します。
それは「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の「エスプリ サレ」。
こちらのブランドは、フランスのパリで1977年に創業。創始者のロベール・ランクス氏は「ガナッシュの魔術師」と称賛された名ショコラティエで、現在は、その思いを継ぐ歴代のショコラティエ達が、伝統の味を守り続けると共に、新たなクリエイションを発表しています。
「エスプリ サレ」もそんな、新しい感性から生まれたボンボン・ドゥ・ショコラの一つです。
黄色いボックスにかかったスリーブに描かれているのは、セップ茸、たまねぎ、赤パプリカ、オリーブ。まさか、これらの素材が使われているの?と驚きながら蓋を開くと・・
3つずつ並んだ5種類のボンボン・ドゥ・ショコラは、長さ3cm、幅は7-8mmほどという、細身のスタイリッシュな形。
「サレ」とは塩味のことですが、その名のとおり、野菜やスパイス、塩を使った、まるで一口でいただける前菜のアミューズのような、これまでに無いボンボン・ドゥ・ショコラなのです。
左から、1つずつ味をご紹介していきましょう。
「プラリネ ノワゼット オ セップ」は、フランスではセップ、イタリアではポルチーニとして知られる茸が入ったほんのり塩味のヘーゼルナッツのプラリネ入り。
「ガナッシュ オニオン キャラメリゼ」は、玉ねぎをじっくりと炒めることで生まれる甘みと酸味を移した生クリームを加えたミルクガナッシュにミルクチョコレートをコーティング。キャラメリゼの風味と、バルサミコ酢に漬けた柔らかなドライイチジクの食感がアクセントとなっています。
「ガナッシュ ポワヴロン ルージュ」は、口の中でゆっくりとかしていくと、ほんのりぴりっと赤唐辛子の風味が広がる、赤パプリカのコンポート入りダークガナッシュ。表面にも、細く刻んだ赤唐辛子が飾りに載せられていて、上品な辛みがアクセントとなってくれます。
「プラリネ オリーヴ ノアール」は、オリーブオイルの風味と、細かく刻んだ黒オリーブ、大きめに砕いたアーモンドとヘーゼルナッツのプラリネの食感という組み合わせ。ところどころに塩粒や、ナッツのキャラメリゼの細かい破片がカリッとするのが感じられ、甘かったりしょっぱかったりと、変化が楽しめます。
一番右の「ガナッシュ セル ドゥ ゲランド」は、フランスのブルターニュ地方特産のゲランド塩入りのコクのあるダークガナッシュ。
どれもそれぞれ個性豊かで、これだけ小さな一粒の中で、様々な味の要素を組み合わせて表現している繊細な世界観に感心させられます。
じっくり味わううちに、シャンパンやワインが欲しくなること間違いなし!おつまみのような感覚で、1粒ずつじっくりと、お酒とのマリアージュを楽しむことができます。
南仏のイメージで、冷たく冷やしたロゼワインと共に味わうのも、夏にお勧めの味わい方です。「プラリネ オリーヴ ノアール」のように、オリーブやナッツ類など、南仏でおなじみの素材を使ったショコラとは、特に相性よくマッチするのでお試しください。
他にも私が好きな味は、「ガナッシュ ポワヴロン ルージュ」。ぴりっとした辛みと、フルーツと野菜の間のようなニュアンスの赤パプリカの凝縮された甘み、ショコラのほろ苦さとが見事に融合しています。軽めの赤ワインと合わせたくもなりますし、スペインのカヴァやチャコリのようなスパークリングワインと合わせてもいいですね。
この夏、ワイン会への手土産や、お酒を召し上がる方へのギフトにもお勧めしたい、とびきりお洒落な大人のためのショコラです。
【平岩理緒さん プロフィール】
国内外の銘菓に精通し、TV・雑誌・WEB等で発信するスイーツジャーナリスト。「All About」スイーツガイド、「おとりよせネット」達人も務める。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。
スイーツ
夏は冷えたシャンパンと共に!老舗ショコラトリーが提案する料理のようなショコラ
M. SATO
2016/06/29