ブルターニュの魅力を
チョコレートという芸術に込めて
婦人画報 2024年2月号より
イヴァン・シュヴァリエさん。
ブルターニュ生まれ。10代からパティシエを志して修業を重ね、2019年に28歳でフランス国家最優秀職人章を当時の最年少で受章。2021年、待望の旗艦店をオープン。
フランス北西部のブルターニュ地方に拠点を置くショコラティエ、イヴァン・シュヴァリエさん。そのチョコレートは「一度食べたら恋をする」といわれるほど人気で、常設の店舗がない日本では、催事出展ともなると連日長い行列ができます。故郷、ブルターニュの素材を大切にし、そのピュアなおいしさを表現したチョコレートは、土地を愛し、風土を知る人にしか作れない唯一無二の味です。
幼少期から甘いものに興味をもち、10歳を過ぎたころには菓子の道に進むと決めていたイヴァンさんは、フランス最高峰のパティシエと称されるヴァンサン・ゲルレ氏の下で腕を磨きました。その後、自身の店を開くにあたってこだわったのは"テロワールの表現"。
「ブルターニュは僕のルーツであり、素晴らしい食材もたくさんあります。それをチョコレートで表現して奥深い魅力を世界中に伝えたいのです」
出身地ブルターニュの都市、レンヌにある旗艦店。「『イヴァン・シュヴァリエ』があるからレンヌに行こうといわれるような店でありたい」
絵画や工作など、手を使ったもの作りが好きだというイヴァンさんにとって、チョコレートはアートのようなもの。「手と感覚をフル稼働して作るチョコレートは『おいしい』というこのうえない幸せを届ける芸術品。だから手作業にこだわり、味に妥協はしません」
近々、ラボを新設するというイヴァンさん。「チョコレートは僕にとって崇高なもの。いつも愛と情熱を刺激してくれます」。
新たな環境で生まれるさらなるクリエイションが楽しみです。